尾行のコツではなく張り込みのコツが重要

尾行を行うには必ず張り込みが必要になります

“尾行のコツ”と検索すると様々な記事が出てくると思います。その記事は探偵が執筆しているとか色々ありますよね。

確かに尾行のコツというのは重要ですが、それよりも重要なのが”張り込みのコツ”なのです。尾行を行うには必ず張り込みもセットになります。立って張り込みをする。車内から張り込みをする。店内から張り込みをするという場所によって変化するものです。

立って張り込みをする

住宅街で探偵が立って張り込みをしていたとしましょう。住宅街の雰囲気や時間帯により変わりますが、早ければ開始30分で警察に通報されてしまい、パトカーがやってきます。

意外なことに高級住宅街と言われている都内のいくつかの住宅街ではあまり通報されません。人の往来が少ないというのもありますが、「ご近所に用事のある方」と思ってくれている人が多いのかもしれませんね。「通報したら返って迷惑になるし、自分が間違っていたら大変」とリスクの方を重視する人がいるのでしょう。

逆に普通の住宅街の方が通報される率が高いのです。これは実際に張り込み調査した経験からくるものですので、概ね間違いはないと思っています。

商業地ではほとんど通報されることはありません。渋谷の駅前や商店街など人の往来の多いところで気にする人は極端に少なくなるからです。ただ、地元に根付いている商店街での長時間張り込みでは通報されるリスクが高くなります。

オフィスビルではどうでしょうか?丸の内の複合ビルではビル外にいれば気にする人は皆無でしょう。しかしながら自社ビルでは受付もありますし、服装によっては注意される場所もあります。

ホテルでも同様で、高級ホテルのロビーに延々といる人はいません。カフェがあればそこで待機することも可能ですが、ビジネスホテルですと難しい部分があります。予算が付けばそのホテルの宿泊客として長時間いてもおかしくはありませんので宿泊する対象者の場合そうすることもあります。

郊外、田舎は非常に厳しくなります。県外ナンバーを気にする人も多いですし、探偵側も土地勘に自信が無いため効率的な張り込みがしにくくなるからです。

しかし、一度動き出してしまえば交通渋滞もありませんし、基本車移動になるので尾行しやすくなります。

車両での張り込みをする

車内からの張り込みはとても楽です。暑さ寒さを凌げます。ただ車は人の記憶に残りやすいですし、路上駐車は邪魔なので迷惑行為にも繋がります。昨今、住宅街にも増えてきたコインパーキングの活用も致しますが、いかんせん少ない予算のなかで行わなければならないのが民間企業ですので使わない場合も多いです。

住宅街では狭い道で車の往来が多いと停めることすら難しく、結局は立っての張り込みを選択する場合が多いです。相手が車を使う場合は慎重に停める位置を決めて張り込みをします。

車内からの張り込みがいいのは、車内にいる探偵の人相がよく見えないことが大きいです。後部座席にいれば見えないことも多いです。また、カメラを構えやすいという利点もあります。

車両で張り込みをする場合、探偵の殆どが出てくる玄関に向けて停めているケースがありますが、本来であれば逆向きに停めておくのが上手な張り込み方だと思います。

お店から張り込みをする

お店と言ってもいろいろあります。喫茶店の窓側から見ていたこともありますし、ファストフード店や都内では2階建てのコンビニエンスストアがあって、2階部分はイートインコーナーになっている場所もあります。勿論お店で買い物をしており、食事休憩を兼ねて見ていることもありますね。

地方ではビジネスホテルから張り込みをしたこともあります。相手にはもちろん近隣からも変に思われない方法です。

印象に残りにくくする

あなたが玄関から路上に出てすぐにこちらを向いている車と後ろ向きで停めている車があったとしましょう。どちらの方が印象に残りますか?

なるべく印象に残らないようにするのが探偵の尾行張り込みの鉄則なのです。調べる相手が印象に残る場面は出入り時が一番多いんです。

探偵が相手に気づかれる場面の殆どは出入りする時です。尾行中に気づかれるというのはあまりなくて、出入りする時に人は周りを確認します。車や自転車が来ていないか?ゴミは落ちていないか?天候は?と無意識のうちに警戒行動を取っています。

野生動物が警戒行動に関しては顕著で、巣から出るときになかなか出てこないというのは周りの雰囲気を察しているからなんですね。人間もパートナーを連れて出てくるときには何らかの危険が無いか?無意識のうちに確認しているものなのです。

毎日同じ時間帯に出勤している時って同じ車が同じ場所に停車しているとか、同じ人にすれ違うとかありますよね?それと同じで、いつも違う雰囲気だとすぐに変化に気づく人もいるのです。敏感と言いますか、探偵ではなくても身の回りの変化に敏感な人、そういうひとには調査がバレやすいですね。

ですから印象に残りにくくする、自然にふるまうというのが大変重要になってくるのです。服装もTPOをわきまえる、髪型、今はマスクの着用とありますよね。

尾行中に気づかれることは稀なことです。本来は張り込みする場所や方法で調査が成功するかどうかが決まるものと考えています。