探偵になるにはどうすればよいか?
平成19年6月施行の探偵業法が出来る前は、誰でも「探偵」です。と名乗ることが出来ました。
電話をひいて、広告でも出せば依頼が舞い込んできたものです。「探偵業の業務の適正化に関する法律」が出来てからも、一定の要件さえ満たせば誰でも届出が出来ます。探偵業の経験が無い人物でも開業でき、今でもトラブルが絶えない状況です。
届出には、身分証明書、履歴書、住民票の他、届出申請書などが必要で、探偵業を営む場所の管轄警察署に届け出をします。即日~数日で証明書が発行され営業活動が出来ますが、必要な書類を備え付けておかなければならず、これを守れない業者が沢山居て処分されるケースもあります。必要な書類は業務の重要事項説明書や契約書類、お客様から貰う誓約書です。
後は従業員名簿や教育研修を行ったかどうか?の書類です。
どういう人が向いている?
これは一概には言えませんが、自分が業界に足を踏み入れたときは、携帯電話が無く、連絡はポケットベルと公衆電話だけでした。スイカやパスモもなく、切符を購入しないと改札もくぐれません。その中でも今と変わらない業務が遂行できていたと思います。時代が変わりIT環境の整備や各種調査機器のデジタル化によって探偵業も恩恵を受ける事が大きくなる一方で、個人情報保護法等の規制の強化が著しい影響を受けています。
さて、話は元に戻りますが探偵に向いている人。それは自分で工夫できる人です。例えばその場に無い物を何かで工夫して作れる人、常に考えて実行できる人です。集中力や洞察力は追々備わってくるものと思いますし年齢で変化します。
「自分で工夫する」その場で臨機応変に対応できるという力のある人が探偵に向いていると思います。それは元々人に備わっている能力なのかも知れません。
しかしどんな業界にも「臨機応変に対応できる人」というのは居ると思いますし、言い方は悪いですがそういう人は便利な存在なのではないでしょうか?
そして勉強の出きる人、これが学校の成績が良かった悪かったではなく今、自分が調査しようとしている企業(人物)についてその企業の業界について知ることが大事です。その知識によって提出する報告書の中身が大きく変わるでしょう。
向いていない場合
向いてなかった場合、他の業種に進んだほうが良いでしょう。自分自身の25年間の経験では向いていない人は最初の段階ですぐに判明します。仕事の出来る人は特に教えなくても上手に尾行調査できますし、何も言わなくても報告書の作成位は出来ます。撮影機材等は使いながら覚えるもので会社で用意された物ではなく、自分の使いやすい機材を購入したほうが上達が早いですね。
どうしても探偵になりたい場合
まず、自分が工夫できる人間かどうか?判断してください。全てに恵まれていて物があふれている現在では工夫して作り出したり、自分で考えて行動するという事が大事です。ネットに繋がったパソコンが目の前にあるのに検索もせずに人に聞きます。聞く前に検索してみてはどうでしょうか?
探偵学校に行くことも一つの手段と言えます。探偵学校では尾行の方法や調査で使用するカメラやビデオ等の機材の使い方を教えてくれます。ただ使い方を教えてくれるばかりではなくその場面ではこういった撮影方法が有効だ、とかありますから本気で探偵になりたいと思っている人は学校に通うのもいいかもしれません。
平成2年から都内の探偵事務所で従事。平成19年に東京調査サービスとして開業。平成26年に他社と併合の為届出廃止。現在再開に向けて調査員として従事しながら準備を進めている。愛用のカメラはNIKON