探偵の行う尾行張り込み調査は違法なのでしょうか?

探偵事務所の調査員が行う尾行調査、張り込み調査は違法なのでしょうか?

尾行や張り込みは一般の方でも行えるものです。法律で規制されている事実はありません。

探偵事務所に依頼が入り、尾行や張り込み調査を行うことも法律で規制されておりません。

他の探偵事務所のwebsiteを閲覧すると、「違法ではない」「認められている」と記載している探偵事務所があります。

「認められている」という部分に関しては間違いであるといえます。

平成19年6月1日に施行された「探偵業の業務の適正化に関する法律」では以下のように探偵業を定義しています。


(定義)
第二条 

「探偵業務」とは、他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として、面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する業務をいいます。

この探偵業務を行う営業を「探偵業」といいますが、専ら放送機関、新聞社、通信社その他の報道機関の依頼を受けて、その報道の用に供する目的で行われるものは除かれます。

以上のように「探偵業務」とはどんな業務であるか?ということを定義しているだけであって、尾行や張り込みが認められているわけではありません。あくまでも探偵業務の説明をしているだけです。

また、同法律第六条には以下の条文があります。

(探偵業務の実施の原則)

第六条 

探偵業者及び探偵業者の業務に従事する者(以下「探偵業者等」という。)は、探偵業務を行うに当たっては、この法律により他の法令において禁止又は制限されている行為を行うことができることとなるものではないことに留意するとともに、人の生活の平穏を害する等個人の権利利益を侵害することがないようにしなければならない。


人の生活の平穏を乱してはならないとあります。これは尾行や張り込みが気づかれて相手に恐怖感を与えたり、近隣から訝しく(いぶかしく)思われないようにしてくださいね、ということになります。

つまり探偵側から見れば、バレないようにやらないと駄目ですよ。という風にもとれる言葉になります。(こういう風に書いたら怒られるかもしれません)

探偵業務の尾行や張り込み調査はいってみれば「グレーゾーン」な訳です。人の生活の平穏を乱す(バレる)と各都道府県の条例違反にも繋がる場合もあります。

その場合の多くが「事件性がない」(浮気調査など)のでキツイ注意などで終わることもありますが、基本的に法律で認められている訳ではないことに留意することが大事です。

探偵業務と全く関係ない、正式な依頼の下で行われている調査であると言えない場合は「迷惑防止条例違反」に問われる可能性があります。

東京都では平成30年7月1日にに迷惑防止条例が改正されて施行されています。

同条例では、尾行や張り込みが「つきまとい行為」にあたると思われ、1年以下の懲役又は100万以下の罰金と規定されました。東京調査サービスの周りでは迷惑防止条例違反に問われた、という話は聞かないので、バレないように浮気調査などを行っているのだと思います。

以上のように探偵業の業務の適正化に関する法律で定義されているだけなので、尾行や張り込みが認められている訳ではありません。今一度法律の条文をよく読み、グレーゾーンであることを理解して業務を行う方がいいと思われます。